介護食で地域の健康を支える会社「株式会社カネト」さんへ行ってきました

 自然豊かな町かつらぎ町に、介護食に尽力されている配食サービス会社があるとのことで工場を見学してきました。

「株式会社カネト」さん

 株式会社カネトさんは、在宅配食サービス会社です。主に介護、療養が必要となる方に向けたお弁当の製造、配達をされています。
「宅配弁当どばし」という名で、町内および近隣市町村約400件のお客様の元へお弁当を日々お届けしています。

こちらの一枚板の看板は、生前食料品店を営んでいた父が愛用していたまな板なのだそう!
そのことを知った土橋さんのご友人が、素敵な看板へと生まれ変わらせてくれました。

 写真は代表取締役の土橋靖弘さん。大手流通企業に勤められたのち、家業の食料品店を父から事業承継しましたが、このままの業態では先が見通せないと感じ、2004年に宅配弁当事業へ転換されたそう。
 将来の高齢化社会を予測し、介護食に特化したきめ細かい配食サービスを中心に事業を展開しています。

工場に潜入!

調理部門

 今回は特別に工場での作業風景を見学させていただきました。

配達部門

 カネトさんで働く従業員は30名。業務は調理・配達の2部門で構成され、スタッフの皆さんは慣れた手つきで各々の作業に従事されています。

 スタッフ皆さんの手により昼夕合わせて毎日約850食のお弁当が作られ、お客様のもとへお届けします。

どんな方でも食べられる こだわりの献立メニュー

肉メニュー
魚メニュー

 「宅配弁当どばし」のこだわりのひとつ、それは幅広いメニュー展開と献立のバリエーションです。お客様個々の健康状態に対応するために様々なメニューを取り揃えています。
 お客様の中には「🥩肉料理だけがいい」「🐟魚料理でないと」という声が多くあることで、メニューには必ず肉料理と魚料理から選べるようにされています。

栄養士が作成されたレシピなので低カロリーな上、栄養価情報も把握できます。
栄養士の一言メモを読んだお客様からリクエストもあるそう。お客様の声を反映しながら献立を立てています。

 献立表は一週間単位で発行、栄養士がバランスを配慮して管理しています。約100通りのメニューからローテーションを組むことで、お客様が飽きないように工夫をされているのだそうです。
 この献立表は「お客様・お客様家族と弊社を繋げるコミュニケーションツール」でもあるとのこと。例えば、栄養士の一言メモを読んだお客様から献立のリクエストをいただくなど、献立表をきっかけにコミュニケーションが生まれています。またお客様ご家族に献立表を見ていただくことで、お弁当の献立は栄養士が管理していることが伝わり、弊社が提供する食事に安心感を持っていただけると考えています。

 こちらは、事業所の特徴でもある介護・療養弁当。健康状態に応じて、糖尿食や減塩食、きざみ加減やご飯の柔らかさ、カロリーなどといった細かい要望にも対応可能です。もちろん、食物アレルギーにも対応できます。

介護・療養食だけでない、要望に応じたお弁当も対応可能

 なんと今回、社長の土橋さんが我々のためにお弁当をご準備くださいました!ありがとうございます。
 何と美味しそうなお弁当なのでしょう。蓋を開けると色とりどりのおかずが目に飛び込んできました。

 さすがカネトさん。とんかつの脂身がきれいにカットされています。
 健康食専門のお弁当屋さんだからこその気遣いですね。
 ちなみに通常の健康弁当以外にもこのような幕の内弁当にも対応可能とのこと。
 会社のイベントや法事の食事などで仕出し弁当のご利用はいかがでしょうか。(※事前にご相談ください)

高齢者の健康を見守るカネトさん

 お客様とのコミュニケーションを特に大切にしているカネトさんは、お客様の安否確認と孤独感の解消に繋がればという想いで高齢者の安否確認を行う「配食見守りサービス」という事業に取り組まれています。このサービスでは、お客様に手渡しでお弁当をお届けることで安否を確認し、もし異変を感じれば「119」へ、あわせてお客様の緊急連絡先に連絡するというサービスです。 
 「宅配弁当どばし」の配食サービスを利用者の安否確認としても活用してもらえるよう、家族への緊急連絡のほか、担当ケアマネジャーおよび連携機関への有事報告まで一貫して行っております。

 このように多岐にわたるサービスを提供するカネトさん。現在、顧客情報の管理・配食の注文状況といった膨大なデータ管理をすべてデジタル化するために、システム開発に取り組んでいます。
 より良い会社運営にむけて、自社の社内改革についても積極的に進められていました。

医療・介護との連携を目指して

 「弊社の目標は、医療・介護業界との連携」と社長の土橋さんは語ります。高齢化社会において配食サービスの必要性が今後高まっていくと考える社長は、医療や介護分野との連携に向けて動き出しています。<食事は医療に直結する重要な情報>であるという考えのもと、現在地域の総合病院の栄養士やケアマネジャー等に献立表を毎週提供しています。 また、自社の顧客情報やその他現場から得た情報など、ありとあらゆる情報を社内で蓄積し、今後医療介護分野に向けて有益な情報提供ができるように、デジタルを活用しながら準備を進めています。
 そしてゆくゆくは医療・介護機関、行政機関と協力関係になり、<求められる配食サービス会社>として地域社会に貢献していきたいというビジョンをお話しいただきました。

(カ)介護食に(ネ)熱意を持って(ト)取り組む

 株式会社カネト様では、通常の配食サービスに留まらず様々な取り組みを行うことで、介護・療養が必要な方とその関係する方々に対しても安心を提供できるように日々努められていました。
 また、社名の由来について「(カ)介護食に、(ネ)熱意を持って、(ト)取り組む」 という社会的な役割を会社名へ落とし込むことで、社員一丸となって取り組んでいくと最後にお話しいただきました。
 
 今後もこの情熱を胸に、介護食に特化した配食サービス事業に取り組んでいただくよう心から応援しています。

企業概要

株式会社カネト(宅配弁当どばし)
住所   和歌山県伊都郡かつらぎ町三谷1-2
電話   0736-22-8149
営業日  月曜日~土曜日(日曜定休)
営業時間 9時~18時
HP   お弁当 | どばし弁当 (dobashi-8149.com)

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