高野山の菓匠・松栄堂と店主廣畑達也氏の挑戦~伝統と革新が融合する和菓子と仏具の世界~

和歌山県の高野山に位置する「菓匠 松栄堂」は、1880年創業の老舗和菓子店です。長い歴史を持つこの店は、和菓子を通じて高野山の文化や精神を体現し続けています。特に、店主である廣畑達也氏が家業を引き継いで以来、松栄堂はさらなる革新を遂げてきました。今回は、松栄堂の看板商品や、廣畑氏の人物像を掘り下げながら、その魅力に迫ります。

松栄堂の看板商品「かるかや餅」

松栄堂の代表作といえば、やはり「かるかや餅」です。もち米と砂糖、水飴を使用したシンプルながらも心温まる和菓子で、外側には香ばしいきな粉がたっぷりまぶされています。中には、しっとりとしたこし餡が包まれ、甘さ控えめで誰にでも愛される味わいです。

この「かるかや餅」は、地元の人々や観光客から高く評価されており、口コミでも「ふわふわのお餅に香り高いきな粉が相まって絶品」との声が多く寄せられています。特に保存料を一切使用していないため、子どもでも安心して食べられる点が多くの家族に支持されています。

店主 廣畑達也氏の人物像と挑戦

廣畑達也氏は、松栄堂の5代目店主です。幼少期を高野山で過ごし、その後大阪での起業経験を経て、家業を引き継ぎました。彼の経営モットーは「自利利他の実践」です。これは、「他人の利益を図ることが、結果的に自分の利益にもつながる」という仏教的な思想に基づいています。この哲学は、廣畑氏が経営する和菓子作りにも深く根付いており、顧客との関係や地域社会への貢献を大切にしています。


廣畑氏は、松栄堂が持つ伝統を尊重しつつも、現代のニーズに応えるために新しい挑戦も積極的に行っています。例えば、南海電鉄とのコラボ商品「三密曼荼羅バウム」や、弘法大師へのお供え物として開発された「壇供 弘法大師 蒸饅頭」など、和菓子に限らず多岐にわたる商品開発を進めています。

仏具や仏像の販売にも注力

松栄堂は、和菓子店でありながら、仏具や仏像の販売も行っています。これは、弘法大師が開いた高野山の精神文化を大切にしているからこそできることです。高野山を訪れる参拝客や観光客に向けて、お香や念珠などの仏教関連の商品も取り揃えており、その選び方について廣畑氏自身が丁寧に説明する機会も提供しています。

また、彼が運営するオンラインショップ「法力堂」では、仏像や仏具、念珠などを取り扱っています。法力堂の特徴は、仏像を彫刻作品として捉え、その芸術性や表情を最大限に引き出すため、細かいアングルやライティングにこだわった写真が掲載されている点です。オンラインショップを通じて、遠方の方でも高品質な仏像や仏具を手にすることができ、海外からの注文も増えているとのことです。

仏具選びの体験も魅力

廣畑氏と直接話しながら仏具を選ぶ体験は、高野山ならではの特別なひとときです。廣畑氏の仏像や仏具に対する深い知識と、そこに込められた物語を聞きながら、自分にぴったりの仏具を見つけることができます。仏教美術や彫刻に興味のある方にとっては、アートとしての仏像を深く感じ取る機会にもなるでしょう。

外国人観光客にも人気

松栄堂は、外国人観光客にも人気が高まっています。和菓子に加えて、仏具やお香、念珠など日本の伝統文化に触れる商品を提供していることが、海外の観光客にとって魅力的です。特に高野山という特別な場所で、仏教文化に触れられる点が彼らにとっての貴重な体験となっているのです。

廣畑達也氏の未来展望

かつらぎ町商工会 令和6年度伴走型小規模事業者支援推進事業

廣畑氏は、これからも高野山の伝統と文化を守りつつ、新しい視点で事業を展開することを目指しています。彼の目指す未来像は、宗教都市としての高野山が観光地化されすぎることなく、その精神や文化が大切にされる場所として存在し続けることです。また、世界遺産制度を通じて、高野山と周辺地域との関係性を調整し、地域社会全体の発展にも寄与したいという強い思いを抱いています。

結びに

菓匠 松栄堂は、単なる和菓子店にとどまらず、高野山の歴史や文化を伝える重要な役割を担っています。そして、廣畑達也氏が織りなす「伝統と革新の融合」は、今後も多くの人々に感動と喜びを届けることでしょう。高野山を訪れた際には、ぜひ松栄堂で和菓子や仏具を手に取り、その特別な体験を味わってみてください。

店舗情報

松栄堂
住所     和歌山県伊都郡高野町高野山766
電話     0736-56-2047
営業時間   10:00~17:00

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